日本語教育機関
学生募集ご担当 様
非漢字圏の日本語学習に対応した日本語検定試験
「JLAN-Test」結果の取り扱い
貴校におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
当協会は、非漢字圏での日本語学習者への支援を目的として設立された「一般社団法人 非漢字圏日本語教育協会」( JLAN ジェイラン)と申します。
貴校の留学生の学生募集・入学者選考業務に関係すると思われる当協会の活動の一端を申し上げまして、関係者の皆様のご理解をいただきたく書面を差し上げます。
関係者の皆様がすでにご存知のように、非漢字圏の日本語学習者には
・ 日本語運用能力の重要な要素である漢字に関する知識が少なく、
・ 漢字を活用、使用する技能が高度ではないので、
・ 日本での日本語学校での学習成果がはかばかしく進まず、卒業後の進路においても各自の能力を十分に発揮できないという深刻な問題が指摘されています。この事態を軽減するためには、すなわち非漢字圏の日本語学習者の漢字コンプレックスを自力で克服させ、日本の日本語学校入学後の学習をスムーズに行わせることにより、日本語学校卒業後の進路をより向上させ、併せて当人の日本での活躍の場を広く確保するためには、非漢字圏の日本語学習者に漢字についての知識を確実にし、漢字を読み書きする合理的な練習をさせることが必要です。
しかし、非漢字圏とはいっても多くの国が含まれ、それぞれの国での日本語教育に統一的なカリキュラムがあるわけではなく、各現地日本語教育機関の教育方針に依存している現状では、一概に漢字学習の深化の必要性を主張、説明しても効果は上がりません。
この現実を見れば、非漢字圏での日本語学習者の弱点を克服するために、学習者自身が
・自分の漢字学習の弱点を意識化したうえで、
・非漢字圏での日本語学習に必要な漢字の学習方法を取り入れ、
・漢字学習でのコンプレックスを克服し、日本語学習のモティヴェーションを高めていく必要があります。これらを実現していく一助になればと思い、当協会は2016年4月から非漢字圏での日本語学習者を対象とした独自の日本語検定試験 JLAN-Test を、まずはベトナムから実施することにいたしました。
JLAN-Test では文字・語彙、文法・読解、聴解という基本的な日本語運用能力を調べるだけではなく、漢字を書く能力をも査定します。非漢字圏での日本語学習者が日本において漢字を使用、活用できるように構成してあります。ですから JLAN-Test で一定の点数を獲得した留学希望者は日本の日本語学校に入学した後も、漢字を書く査定を受けていない留学希望者に比して漢字の使用にそれほどの困難を感じることはありません。したがって非漢字圏の日本語学習者の多くが持つ漢字コンプレックスも少なく、日本語学校の学習も当人の能力に応じて進捗していきます。これが私たちの実施する検定試験の目的であり、特徴でもあります。
なお、JLAN-Test は非漢字圏の日本語初学者が漢字学習における困難を軽減しながら日本語学習を進めていけるようにと意図しているので、受験対象者は初級レベルの学習者としており、「日本語能力試験」のN5 と N4に相当する レベルの試験のみを実施します。JLAN-Test では日本語能力試験のN5 相当のレベルを J5と呼び、N4 相当のレベルを J4 と呼んでいます。
このような理由から、JLAN-Test J5の合格者は、入国管理局の基準である日本語能力試験N5相当という基準を満たしており、日本の日本語学校で学ぼうとする非漢字圏からの留学希望者の日本語能力を判断するための基準としては十分に機能すると考えております。
JLAN-Test の趣旨や実情をご理解いただきますとともに、試験結果は留学生の日本語運用能力を判断する資料としても使用できることをご留意いただきますようお願い申し上げます。どうぞ宜しくお願い申し上げますとともに、貴校のご発展を祈っております。
一般社団法人 非漢字圏日本語教育協会
812-0015福岡市博多区山王2丁目11 – 2
Phone: 092-292-0490 / Fax.: 092-292-0491